浅野いにお
僕は浅野いにおという漫画家が大好きです。
ほぼ全ての作品を読みました。
浅野いにおを知るきっかけとなったのがソラニンという漫画です。
こちらの作品は映画化もされています。
主演を宮崎あおいが演じており、この作品もとても面白いので是非観てみてください。
ソラニンを読んだ後、別の作品も読んでみたいと思い本屋さんにいって見つけたのが「おやすみプンプン」という作品です。
僕の中で浅野いにお作品の中で一番好きなのですが、タイトルからは全く想像できない壮絶な鬱漫画です。
読んだあとしばらく後を引くというか気が滅入ってしまうというか…
良い意味でです。
心地よいネガティブといったところでしょうか。
簡単なあらすじを話すと小野寺プンプン という何の変哲もない小学生が主人公で、彼の身の回りに起こる問題やトラブルと共に葛藤し成長していくという物語です。
その問題とは両親の離婚や失恋など自分たちの身の回りでも起こってきたようなことばかりです。
プンプンが小学生から大人になるまでの話です。
そしてほかの漫画とは全く違うと感じるところがプンプンとプンプンの親族だけひよこのキャラクターで描かれていることです。
左からプンプンママ、プンプン、プンプンパパ
この漫画の世界ではプンプンたちは普通の外見という設定で僕ら読者のみがこのひよこのキャラクターとして見えています。
作中では最後までプンプンたちの本当の姿を描かれたシーンはありません。
これによってより人間としての生々しさや汚い部分が際立って感じます。
そして自分を投影することがより容易になるのではと感じています。
浅野いにお作品に共通する点がとことんリアルであること。
そして自分を見ているかのような気持ちにさせられることです。
人間の醜い部分を掘って掘って掘り起こすのが非常にうまいです。
その度にあぁ、わかるなぁとなり鬱っぽい感情に支配されます。
思考がネガティブ寄りな人はかなり共感できるのではと思います。
浅野いにおは短編集や一巻読みきりなどの作品が多く、巻数が多いものの方が少ないです。
おやすみもプンプンも13巻完結で読みやすいと思います。
高校生のころこの作品に出会い、友達やいろんな人にオススメしてました。
やはり自分と似たような考え方の人は面白いと言ってくれました。
浅野いにおの作品はどれも全てオススメなのですが中でも虹ヶ原ホログラフという作品もかなり面白いです。
こちらは一巻完結なのですがまるで映画を見ているかのような気持ちになります。
様々な歪んだ人間が登場し散りばめられた伏線を回収していく様は爽快です。
内容もかなりダークですがとても面白いので是非、読んでみてください。